コロナの影響でテレワークが急速に進み、電話やメールが主体だった企業もWeb通話やビジネスチャットを利用し始めることが増えてきましたが、日々サポートしていて、浸透して上手に使えるようになるのはまだまだ先だろうなーと感じます。部署によっては上手に運用している所もありますが、少数ですね。
そんなビジネスチャットを上手に活用していく上には従来の考え方を捨て、意識を変えていく必要があると思っています。どんな点を意識していけばいいかご紹介します。
目次
チャットは電話とメールの中間にあるツール
- 電話:相手と自分の時間を合わせる必要がある「同期型」
- メール:時間を合わせる必要がない「非同期型」
- チャット:相手の時間が合えばリアルタイムでやり取り可能で。もちろん合わなくてもOK。
まずそれぞれこういった特徴があり、必要に応じて使い分けるのが賢い使い方です。主に下記のような良し悪しがあります。
メリット | デメリット | 優先度 | |
---|---|---|---|
電話 | ・意思疎通が図りやすい | ・時間を奪い奪われ (信用を失うことも) | 緊急時のみ |
メール | ・自分の考えを整理して伝えられる ・文章として残る ・互いの都合のよい時間に確認可 | ・毎度丁寧な形式(必要?) ・レスポンスが悪い | 電話より優先 |
チャット | メールのメリットに加え ・電話ほどではないがレスポンス良 ・丁寧な形式不要 | ・初対面の人にはハードルが高い ・情報が流れていきやすい | チャットが優先 |
合理化①:情報共有手間を省いてより効率的に共有
世界時価総額ランキング上位のGoogleは、「いかに情報をオープンに共有できるか?」ということに尽力しているのに対し、日本企業は「いかに情報を制限するか?」ということを気にしている点にとても大きな差を感じずにはいられません・・・。
適切な情報共有がなされず、一部の仕事しか任されていないと全体像が見えなくなり、やる気を出せなくなってしまいます。場合によっては不満や疑心を抱き、職場の雰囲気や人間関係などを悪化させることもあります。残念ながら情報共有の重要さを理解していない管理職の方も少なくないようです。
- 仕事の目的
- 仕事の全体像
などが不明だと、仕事に取り組む側も主体的に動くことができません。
仮に10人分の会議資料を用意する必要がある場合、
上記のように目的や全体像を伝えることで、用意する側は
もしかしたら人数が増えるかもしれないから多めに用意しておこう!
と主体的に考えることも可能になり、直前になって参加者が増えてたとしても、説明資料が足りずに慌てるということを防ぎ、余裕を持って対応できる確率が上がります。
情報共有の大切は理解していても、電話やメールだけでは目的や全体像、背景まで共有するには大変です。だからこそビジネスチャットでチーム内には情報をオープンにすることで、仕事に取り組む側は決定までの経緯を知ることで、主体的にモチベーション高く取り組むことができます。
これはチームで仕事を進めていく上でとても大切なことだと思います。
合理化②:会議を減らしてチャットで議論をする
従来、会議を開催するとなると参加者の空き時間を確保し、会議室を確保し、参加人数が増えるほど調整が難しくなり、会議当日は会議室への移動の時間もかかります。
リモートワークが浸透し、強制的にWeb会議に移行したことで効率的になりましたが、それでも無駄な会議による損失が1年間に約67万時間、約15億円という試算もあります。
どうしても直接会って議論が必要!
どうしても話し合う必要があるのでWeb会議!
といった事情があるなら仕方ないですが、「どうしても」でなければチャット上で会議することで、会議参加のための時間を削減することが可能です。
チーム用のビジネスチャットであれば話題毎にスレッド(会話のまとまり)を作成することができ、そそのスレッド内で非同期での会議が可能です。
とメリットが多く、実に合理的で効率的です。本当に会って議論が必要な会議って全体でどれくらいなのでしょうか。きっと少なく、ほとんどがチャット上で問題ないと思います。
合理化③:内線電話番号
ビジネスチャットが社内に浸透していることが前提になりますが、組織内で通話が必要な場合は内線電話ではなく、チャットで通話すれば事足ります。
そうなれば内線を準備する手間やコストも削減することが可能です。逆にインターネット環境を強化する必要があるかもしれませんが、今後投資するなら電話ではなくITインフラのほうが価値があります。
外線に関してはまだ電話番号が必要になる場合があるので仕方ないですが、徐々に電話番号の需要は減ってきているのを感じます。プライベートだと電話番号を知っているか?よりもチャットやSNSのアカウントでどれだけ繋がっているか?が重要になっています。最近のSNSはビデオ通話機能も当たり前になってきました。
外部との連絡はまだまだメールや電話が現状
各会社それぞれ、様々なビジネスチャットを利用しています。
まず同じチャットツールである必要がありますし、仮に自身も相手も同じチャットツールだとしても、会社によっては外部とチャットが出来ないようになっているところもあります。まだまだ外部とチャットでやり取りを行うというのはハードルが高いのが現状ですね。
電話番号やメールアドレスでチャット
iMessageなどは電話番号やメールアドレスでチャットが可能です。電話番号やメールアドレスでチャットが可能であれば、相手のチャットツールを気にせず利用できそうですね。iPhoneでの利用だけかと思っていましたがMac(Apple製のパソコン)からも送信可能みたいなので、これはビジネスにも便利そうです!
今後は端末に関係なく、電話番号やメールアドレスでチャットが利用できるようになれば、もう少し効率的に時間を使えそうですね。
浸透させるには?浸透させやすいのは?
やはり組織改革可能な裁量を持っている人が理解して、トップダウンで浸透させるのが一番早い方法ではあります。あとは世の中の利用者が大多数になってくると、経営者やマネージャーも
使っている取引先が増えてきたらか、導入検討するか・・・
と思い始める可能性が高くなります。
実際にコロナ前、ビジネスチャットの利用を提案したことがあるのですが、なかなか理解を得ることができず一旦忘れられましたが、コロナ渦になってから、社内のコミュニケーションツールとしてビジネスチャットが利用されるようになりました。
裁量権のある方の理解力と想像力次第なんだなと思いました。
DXは権力のある年配者の柔軟さ次第
今後、日本の企業が成長していくにはDX(デジタルトランスフォーメーション)が必要であると言われています。若い世代(20代、30代)は苦手な人も一定数いるものの、ITツールをスムーズに使いこなします。苦手意識もあまりなく、捉え方が柔軟なので飲み込みも早いです。
比べて年配者は、得意な方も一定数いらっしゃいますが、ITが苦手な方が多くマニュアル通り読めば可能なことも読むこと嫌がって、最初から「わからない」と取り組まない人が散見されます。
それ若い人が仕事に対して同じことしてたら怒りますよね?ってことを平気でします(笑)日本のIT化が遅れている理由は、権力のある年配者の理解と想像力不足だと最近思っています。
これからの時代を生き抜くためにも、次世代の為にも、新しい知識を取り入れ、柔軟な考え方で物事を捉えていただきたく存じます。